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起業物語Re19 生い立ち

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【起業物語】くすぶりの2軍生活 ~筋トレと屈辱とプライド~

筑波大学バスケ部に入部してからというもの、自分の居場所はずっとBチームだった。
バスケ部の中でもヒエラルキーが明確で、トップが1軍、次に2軍Aチーム、そして最下層が2軍Bチーム。
言ってしまえばBチームは“3軍”のような扱いで、将来の1軍候補とは呼ばれない位置。
そこに自分はいた。

だけど、腐るわけにはいかなかった。
誰よりも早く体育館に入り、誰よりも遅く体育館を出る。
夜22時を過ぎると、寮の共用風呂はもう閉まってしまっているので、陸上部のシャワーをこっそり借りて帰るのがルーティンだった。

筑波大学は全国屈指のスポーツ大学だけあって、トレーニング設備は本当に充実していた
ジムはプロ並み。筋トレ器具は一通り揃っていて、やる気次第でどこまでも鍛えられる環境が整っていた。


小柄な自分に必要だった“武器”

身長は173cm、体重はわずか55kg。
大学の舞台では圧倒的に“小さくて軽い”

高校ではポイントガードとして試合をコントロールし、トリッキーな動きで相手を翻弄するプレースタイルだった。
でも、大学の世界はまるで違った。
体の大きさ、速さ、パワー、すべてが規格外。
このままじゃ到底通用しない。

だから自分は、勝負するための“新たな武器”を磨くことにした。

ひとつは3ポイントシュート
もうひとつは、ドリブルで一瞬の隙を突いて切れ込む瞬発力

3Pの射程を伸ばすには、単純にシュートの筋力が必要だった。
そして相手のリズムをずらして抜くには、100mを速く走るようなスピードよりも、
バッシュ1個分だけ先に足を出せる力=瞬発力」が鍵だった。

だから、自分は毎日異なる部位の筋トレメニューを組んで、コツコツと鍛えていった。


少しずつ実感する“成長”

筋肉はすぐにはつかない。
でも、地道な努力の先に確かな変化があった

3Pシュートが楽に届くようになった。
1歩目のドリブルで、少しだけ相手より先に仕掛けられるようになった。
ジャンプも伸びて、1回だけ、リングに触れたこともあった。

あの瞬間の手に感じた鉄の冷たさは、今でも忘れられない。
「ここまできたんだな」
そんなささやかな達成感が、自分のモチベーションになっていた。


屈辱のひと言

そんなある日のこと。
いつものように筋トレをしていた自分は、ベンチプレスで110kgに挑戦していた。

あと数センチ。
どうしても持ち上がらない。

苦しみながら力を込めていたその時、隣でトレーニングしていた推薦組の関西人が言い放った。

「こんなん上がらんなんて、バスケも筋トレもダメダメやな」

彼は同じ1年生。
それでいて1軍のレギュラー。
関西特有のノリもあるのだろう。
でも、自分にとっては“ゴミのように扱われた”衝撃だった。

その場にいた他の仲間は笑っていた。
けれど、自分の中では笑えなかった。
正直、涙が出るほど悔しかった。


この言葉、忘れない

だけどその言葉は、自分の火に油を注いだ
あの日から、自分はより本気になった。
「絶対に見返してやる」
「ここで終わるような人間じゃない」
そう心に誓った。

ベンチプレスは120kgを超えるようになった。
3Pの成功率も上がった。
1軍にはまだ届かなかったけれど、自分の中で確実に“前進”している実感があった。


努力は、すぐに報われない。
でも、努力している人間だけが、自分の“弱さ”と向き合える。

あの時の関西人のひと言。
今でも覚えているし、正直忘れるつもりもない。

だけど、あの言葉があったから、今の自分があるのだと思う。

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この記事を書いた人

石川信孝
茨城で建設会社を経営しています
工具はマイナスドライバー1本しか持っていません

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