筑波大学バスケ部の伝統「全裸のトライアスロン」
大学生活といえば自由、サークル、恋愛、バイト…なんてイメージがあるけれど、
自分にとっての大学生活はひとことで言えば「バスケ」だった。
その中でも、一生忘れられない出来事がある。
それが筑波大学バスケ部の新入生歓迎イベント、名物「トライアスロン」だ。
…名前の印象と実態がこれほどかけ離れてるイベントは他にないだろう。
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静かに始まる狂気
バスケ部の新歓は夜7時スタート。学内の食堂を貸し切っての開催だった。
新入生には事前に「自分の部屋の番号を腕に書いておけ」と言われる。
さらに「部屋の鍵を絶対に落ちないように腕にガチガチにテープで巻いておけ」とも。
この時は何のためなのかまったくわからなかった。
けど、のちにそれが“生命線”になるとは、まだ知る由もなかった。
食堂の扉を開けると、そこはカオスだった。
テーブルをドンドン叩きながら、上級生たちが「ウォォォーー!!」と叫んでいる。
新歓というより戦場のような雰囲気で、まるでターミネーターの未来世界に迷い込んだかのよう。
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飲む、飲む、飲まされる
席に着くと、すぐにコップが配られた。
中身は…当然“お〇”。
当時は今のような厳しい規制もなかったので、飲まされるのが当たり前という空気だった。
上級生が入れ代わり立ち代わり現れては、
「飲め!」の一言でコップを満たしていく。
自分はお〇なんて一滴も飲んだことなかったけど、拒否権なんて存在しない。
次々と注がれ、次々と飲まされ…
10杯を超えるころには頭がグルグルしてきて、足元もふらついてきた。
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衝撃の「全裸マラソン」
そして、満を持して伝統行事「トライアスロン」が始まる。
司会の2年生が一言。
「全員、脱げーーーー!!」
……え?
酔った頭で理解するまで数秒かかったが、
本当に全員、服を脱がされた。
上はもちろん、下も。つまり全裸である。
そのまま「宿舎の周りを走れ!」と命令が下る。
なんと、女子寮のすぐ近くもルートに含まれているのだ。
羞恥心は完全に崩壊し、もはや思考停止。
酔いと全裸と爆笑に包まれながら、深夜の筑波キャンパスを駆け抜けた。
さらに途中、底に泥がたまった小さな池もコースに組み込まれており、
その池を「泳げ!」という指示も飛ぶ。
ぬるい泥水の中を泳ぎ、ビショビショドロドロになりながらゴールを目指す…。
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正式な“部員”となる瞬間
ようやく元の食堂にたどり着いたときには、魂が抜けかけていた。
けれど、これをやり切ったことで、正式にバスケ部の一員として認められた。
優勝者には共用風呂の入浴券が授与されるというオチまでついていた。
ちなみに、本来は1年生だけが対象のこの行事、
自分の代では“4年連続出場・4年連続優勝”という猛者もいた。
その人は池用にゴーグルを持参していて、気合が桁違いだった。タフすぎる。
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比嘉先輩、あの時はありがとうございました
会が終わるころには完全に意識も飛びかけていた。
ここで、最初に書かされた“部屋番号”と“鍵”の意味が判明する。
潰れた1年生は、上級生が部屋まで運んでくれるのだ。
自分は、2年生の比嘉先輩におんぶされて宿舎まで帰ることができた。
比嘉さん、あの時は本当にありがとうございました。
今度は自分が介抱する番です。
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裸の付き合いから始まる青春
今となっては時代にそぐわない、アウトな部分もあるこの行事。
でも、自分にとってはこれも青春のひとつの形だった。
裸で笑って、走って、泥まみれになって、
その夜から“仲間”になった。
あれから何年も経った今でも、ふと思い出すと笑ってしまう夜の出来事。
きっと一生忘れない、裸のスタートラインだった。

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