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起業物語Re61 起業・経営編

暗黒時代の終焉へ ― No2退職から会社解散へ

経営を続けていると、思いもよらない出来事が次々と襲ってくる。No2のF氏が去った後、自分の会社はまさに「崩壊の階段」を下りていくようだった。今回は、その過程と心境をブログ調で振り返ってみたい。


目次

一人、また一人と去っていく社員

No2が辞めてからというもの、不思議と歯止めが効かなくなったかのように、他の社員たちも次々と会社を辞めていった。理由はさまざまだったが、根本には「未来が見えない」という不安があったのだと思う。

半年も経つと、気が付けば会社設立時と同じ「自分一人」に戻っていた。これまで一緒に走り続けてきた仲間がいなくなるのは、本当に心細く、心にぽっかりと穴が開いたようだった。


デジタル体験会の終焉

それでも「仕事だけは続けなければ」と自分を奮い立たせ、協力会社から応援を借りながらデジタル体験会を継続した。しかし、外注費はどんどん高騰し、売り上げは右肩下がり。気が付けば、利益どころか資金繰りすらままならない状態になっていた。

大手クライアントからは「ぜひ継続してほしい」と懇願された。だが、現実にはお金がもたない。理想と現実のギャップに押しつぶされそうになりながら、ついに8年近く続いたデジタル体験会は幕を閉じることになった。

悲しい気持ちに浸る余裕などなく、襲いかかるのは「税金の支払い」「経費の支払い」など、日常的で現実的な課題ばかりだった。感傷にひたる間もなく、ただただ「生活をどう維持するか」に追われていた。


六本木での新たな挑戦

そんな折、知り合いのつてで六本木のアプリ会社の仕事を請け負うことになった。内容はアプリの説明会を開催し、代理店を集めるというビジネス。人前で話すことが得意だった自分にとっては、まさに適職のように思えた。

実際、説明会では一定の評価をもらい、「これなら立て直せるかもしれない」と感じる瞬間もあった。しかし、契約内容は固定報酬で、支払いサイクルも長く、資金繰りの改善には程遠かった。生活費や会社の維持費に追いつくことはできなかった。


報酬未払い事件

そして数か月後、致命的な事件が起きる。月末、入金されるはずの報酬が銀行口座に振り込まれていなかったのだ。すぐに上請の社長に確認の電話を入れると、耳を疑うような言葉が返ってきた。

「社長さん、電話に出なかったから払えないよ。」

自分は愕然とした。電話に出なかったことと、報酬が支払われないことに何の因果関係があるのか。必死に事情を説明したが、返ってくるのは理不尽な言い訳ばかり。最後には「明日から六本木に来なくていい」と一方的に電話を切られ、連絡も取れなくなった。

税金、家賃、経費――すべての支払いが迫る中での未払いは、まさに致命傷だった。心が折れる音が聞こえた気がした。


結果的に支払われたが…

結論からいえば、その一か月後には報酬は支払われた。しかし、その間に受けた精神的・経営的ダメージは計り知れなかった。ただでさえ資金繰りが厳しい中でのこの仕打ちは、「もう会社をたたむしかない」という現実を強く突き付けられる出来事となった。


終わりに

No2を失ってから、会社は一気に暗黒時代へと突入した。仲間を失い、収益の柱を失い、最後には取引先からの理不尽な仕打ちでトドメを刺された。

振り返れば、もっと早く方向転換できたかもしれないし、別の方法もあったのかもしれない。しかし当時の自分には「がむしゃらに耐える」以外の選択肢が見えなかった。

こうして会社は、解散に向けて動き出すことになった。

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この記事を書いた人

石川信孝
茨城で建設会社を経営しています
工具はマイナスドライバー1本しか持っていません

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