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起業物語Re67 再起編

― USB事件:職場いじめの幕開け ―

建設会社に入社してから、社長の自分に対する態度は常に冷たかった。
それでも「破産からの再起」という重いテーマを背負っていた自分は、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
しかし、その社長はあきらかに“いじめのような試練”を意図的に仕掛けてきていた。

その象徴ともいえる出来事が、この「USB事件」だった。


目次

■ “中身が空のUSB”を渡された朝

ある日の朝、社長から呼び止められた。

社長
「これ、〇〇(同じ市内の電気会社)に持っていけ。持っていけばわかるから。」

自分
「わかりました。」

特に説明もなく手渡されたUSBメモリ。
会社から車で30分ほどの場所にある取引先に届けるだけの簡単な仕事だと、その時は思っていた。

だが、現実はまるで違った。


■ 取引先で知らされた“衝撃の事実”

〇〇会社に到着し、部長さんに丁寧にUSBを手渡す。

自分
「こちらUSBになります。」

部長
「ん?何も聞いてないの?」

不思議そうな表情を浮かべながら、部長はUSBを自分のPCに挿した。
次の瞬間、眉間にしわが寄った。

部長
「これ…空だよ?作業員名簿のデータが入ってないんだけど。」

自分
「大変失礼いたしました。すぐ確認いたします。」

そのUSBは、完全に空っぽだった。
データの影も形もない。
本来届けるはずの“作業員名簿”も入っていない。

パニックになりながら社長へ電話した。

自分
「社長、空のUSBだったのですが…先方は12時までに作業員名簿が必要とのことです。」

社長
「笑 会社のフォルダに入ってるから、それデータ作って持っていけよ。笑」

なぜ笑っているのか、その時はまだ理解できなかった。
だが今思えば、完全に“わざと”だった。


■ フォルダ探索、未経験の名簿作成…孤独な戦い

急いで会社に戻り、どこに何があるかもわからないフォルダの山を必死に探した。
総務担当である代表(親戚)にも電話で確認しながら、なんとかデータを見つけ出す。

しかし、ここからがまた地獄だった。

作業員名簿とは、

  • 名前
  • 住所
  • 生年月日
  • 血液型
  • 健康診断日
  • 工事経験

などを記載し、現場に提出する重要な書類。
建設業では常識のような書類だが、自分はその存在すら知らなかった。

再び〇〇会社に戻り、部長の前で初めての名簿作成。
操作方法もわからず、横で事務員さんがイライラしながら指示を出してくれた。

必死すぎて汗だくになりながら打ち込んだ。

ようやく完成したのが12時ぎりぎり。
大きく息をついた瞬間、部長の説教が飛んだ。

部長
「資格証のPDFは?これじゃ提出できないんだけど。」

自分
「申し訳ありません。すぐに対応いたします。」

休む間もなく会社に戻り、社員全員の資格証データを探す。
フォルダは整理されておらず、資料は散乱。
どれが最新でどれが正しいのかも分からない。

社長が戻ってきたので聞いてみた。

自分
「資格証データはどのフォルダにありますか?」

社長
「そんなこともわかんねぇのか?勉強しろ。自分で探せ。」

完全に突き放す口調。
それでも黙って探し続け、16時ごろようやく資格証のデータを届け終えた。


■ 帰社すると、待っていたのは“高笑い”

くたくたになって会社に戻ると、社長がニヤニヤしていた。

社長
「今日は勉強になったな〜。笑」

この時、ようやく理解した。

これは業務ではなく、完全に“いじめ”だ。
わざと空のUSBを持たせ、困らせ、笑うためにやったんだ。

胸に込み上げてきたのは悔しさではない。

“ああ、ここはまともな会社じゃない。”

という確信だった。

この「USB事件」は、序章にすぎなかった。
この後も、社長による数々の嫌がらせが続くことになる。

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この記事を書いた人

石川信孝
茨城で建設会社を経営しています
工具はマイナスドライバー1本しか持っていません

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