― USB事件:職場いじめの幕開け ―
建設会社に入社してから、社長の自分に対する態度は常に冷たかった。
それでも「破産からの再起」という重いテーマを背負っていた自分は、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
しかし、その社長はあきらかに“いじめのような試練”を意図的に仕掛けてきていた。
その象徴ともいえる出来事が、この「USB事件」だった。
■ “中身が空のUSB”を渡された朝
ある日の朝、社長から呼び止められた。
社長
「これ、〇〇(同じ市内の電気会社)に持っていけ。持っていけばわかるから。」
自分
「わかりました。」
特に説明もなく手渡されたUSBメモリ。
会社から車で30分ほどの場所にある取引先に届けるだけの簡単な仕事だと、その時は思っていた。
だが、現実はまるで違った。
■ 取引先で知らされた“衝撃の事実”
〇〇会社に到着し、部長さんに丁寧にUSBを手渡す。
自分
「こちらUSBになります。」
部長
「ん?何も聞いてないの?」
不思議そうな表情を浮かべながら、部長はUSBを自分のPCに挿した。
次の瞬間、眉間にしわが寄った。
部長
「これ…空だよ?作業員名簿のデータが入ってないんだけど。」
自分
「大変失礼いたしました。すぐ確認いたします。」
そのUSBは、完全に空っぽだった。
データの影も形もない。
本来届けるはずの“作業員名簿”も入っていない。
パニックになりながら社長へ電話した。
自分
「社長、空のUSBだったのですが…先方は12時までに作業員名簿が必要とのことです。」
社長
「笑 会社のフォルダに入ってるから、それデータ作って持っていけよ。笑」
なぜ笑っているのか、その時はまだ理解できなかった。
だが今思えば、完全に“わざと”だった。
■ フォルダ探索、未経験の名簿作成…孤独な戦い
急いで会社に戻り、どこに何があるかもわからないフォルダの山を必死に探した。
総務担当である代表(親戚)にも電話で確認しながら、なんとかデータを見つけ出す。
しかし、ここからがまた地獄だった。
作業員名簿とは、
- 名前
- 住所
- 生年月日
- 血液型
- 健康診断日
- 工事経験
などを記載し、現場に提出する重要な書類。
建設業では常識のような書類だが、自分はその存在すら知らなかった。
再び〇〇会社に戻り、部長の前で初めての名簿作成。
操作方法もわからず、横で事務員さんがイライラしながら指示を出してくれた。
必死すぎて汗だくになりながら打ち込んだ。
ようやく完成したのが12時ぎりぎり。
大きく息をついた瞬間、部長の説教が飛んだ。
部長
「資格証のPDFは?これじゃ提出できないんだけど。」
自分
「申し訳ありません。すぐに対応いたします。」
休む間もなく会社に戻り、社員全員の資格証データを探す。
フォルダは整理されておらず、資料は散乱。
どれが最新でどれが正しいのかも分からない。
社長が戻ってきたので聞いてみた。
自分
「資格証データはどのフォルダにありますか?」
社長
「そんなこともわかんねぇのか?勉強しろ。自分で探せ。」
完全に突き放す口調。
それでも黙って探し続け、16時ごろようやく資格証のデータを届け終えた。
■ 帰社すると、待っていたのは“高笑い”
くたくたになって会社に戻ると、社長がニヤニヤしていた。
社長
「今日は勉強になったな〜。笑」
この時、ようやく理解した。
これは業務ではなく、完全に“いじめ”だ。
わざと空のUSBを持たせ、困らせ、笑うためにやったんだ。
胸に込み上げてきたのは悔しさではない。
“ああ、ここはまともな会社じゃない。”
という確信だった。
この「USB事件」は、序章にすぎなかった。
この後も、社長による数々の嫌がらせが続くことになる。

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