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起業物語Re7 生い立ち

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暗闇の中で見つけた光──そして奇跡の合格へ

中学2年の秋、大事な大会でのたった一つのプレーが原因で、自分は試合に出してもらえなくなった。
バスケ部のシックスマンとしてコツコツ頑張ってきたが、あの試合の“判断ミス”で、すべてが終わった。

あれから中学を卒業するまでの間、一度も公式戦のコートに立つことはなかった。
チームの練習には出ていたものの、心のどこかではずっと、うしろめたさと孤独を感じていた。

チームメイトからは、はっきりと「お前のせいで…」と言われることはなかったが、目線や距離感が以前とは明らかに違った。
“戦犯”という言葉が、空気のように漂っていた。
居場所がないとは、まさにこのことだと痛感した。

中学2年の終わりから3年にかけて、自分はどんどん暗く、沈んでいった。
バスケに打ち込んできた日々が、まるで無意味だったかのように感じていた。

そんな時、転機が訪れる。

ある日、高校の説明会で立川高校を見学に行った。
うちの中学校では「遠い存在」と言われるほどのトップ校で、まさか自分が通うことになるとは思ってもいなかった。
たまたまその日、バスケ部の練習が行われていて、体育館の2階から興味本位でのぞいていた。
すると、コートで練習していたキャプテンらしき人がこちらを見上げて、声をかけてくれた。

「中学生? 一緒にやってみる?」

驚きと緊張で心臓が跳ねた。
でもそれ以上にうれしかった。
誰にも認められていないと思っていた自分に、まさかそんな風に声をかけてくれる人がいるなんて。
その日、自分は立川高校の練習に混ぜてもらい、レベルの高さを実感した。
同時に、「ここでバスケがしたい」と強く思った。

だが現実は厳しかった。
立川高校は学区内でも屈指の進学校で、自分の成績では到底届かないレベルだった。
中学の担任からも、「このままじゃ無理だ。ランクを下げろ」と言われた。

でも自分は、あの日の体育館の光景を忘れられなかった。
バスケで失ったものを、ここで取り戻したい。
もう一度、自分を認めてもらえる場所に行きたい。
その一心で、人生初の“本気の勉強”が始まった。

朝は、生徒が登校してくる前に学校に行き、先生をつかまえて質問をした。
昼休みは弁当をかき込むように食べ、残り時間は教科書とノートにかじりついた。
夜は夜で、家の誰よりも遅くまで机に向かっていた。時には夜中の2時、3時になることもあった。

勉強部屋なんて立派なものはなかった。
狭いアパートの一角、たった1畳ほどの物置のようなスペースに机を置き、そこが自分の“戦場”だった。
寒くても暑くても、猫が鳴いていても、気にならなかった。

不思議なことに、苦ではなかった。
目標があると、人はこんなにも動けるんだと実感した。
バスケの試合では、自分のミスで夢をつぶしてしまった。
でも、今度こそは、自分の力で夢を掴みたい。
その一心だった。

うちの中学校は“素行が悪い”と噂されるような学校で、立川高校に合格する生徒はほとんどいなかった。
周囲の大人たちからも、「どうせ無理」「落ちるのがオチ」と言われていた。

でも――奇跡は起きた。

合格通知を手にしたときの、あの震えるような感覚は今でも忘れられない。
“死ぬほど望んだ高校”に、自分の力で合格した。

そのとき、自分の中に新しい“核”ができた気がした。

努力は、裏切らないとは限らない。
だけど、努力しなければ絶対に手に入らないものがある。
この考え方は、今でも自分の中に根付いている。

バスケでは失敗した。
だけどその失敗が、自分に“人生の歩き方”を教えてくれた。

そして、高校生活が、新たな物語の始まりになっていく──

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この記事を書いた人

石川信孝
茨城で建設会社を経営しています
工具はマイナスドライバー1本しか持っていません

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