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起業物語Re9 生い立ち

自主自律の学び舎──立川高校で得た、生きる力

立川高校は、自分にとって単なる進学校ではなかった。
それ以上に「生きる姿勢」や「人との関わり方」を学ばせてくれた、かけがえのない場所だったと思っている。

この高校のモットーは**「自主自律」
何をするにも、まずは
生徒自身が考え、決め、行動する。**
先生たちはあくまでサポート役で、物事を強制されることは少なかった。

バスケットボールしかやってこなかった自分にとって、そんな自由な空気はとても新鮮だった。
好きなことに打ち込む生徒、イベントに命をかける生徒、授業を極めようとする生徒、みんな方向はバラバラだけど、それぞれが輝いていた。
窮屈さがない、けれど甘えられない――そんな環境がとても心地よかった。

学校行事もすべて生徒主導
企画、準備、運営まですべて自分たちで行う。
だからこそ、「本気で楽しむ空気」がそこにはあった。

中でも印象的だったのは、ファイアーストーム(通称FS)という行事。
体育祭の後、夜に校庭で焚き火を囲むイベントで、男子が女子に告白するのが“お約束”になっている、なんとも青春ど真ん中のイベントだ。
残念ながら、自分たちの代は3年間とも雨に見舞われ中止
となってしまったが、今もあのイベントは続いているのだろうか。
やってみたかったなと今でも少し思う。

学園祭も完全に生徒の手作りで、特に木製の校門アーチの制作は伝統行事のようになっていた。
大きな木材を集め、みんなで組み上げ、色を塗ってデザインを整える。
どのクラスより目立とう、どんなテーマにしようと、準備段階から本気だった。

意外なことに、合唱コンクールや演劇祭も“体育会系のノリ”で盛り上がる。
運動部の生徒たちも本気で練習に参加し、「勝ちたい」「魅せたい」と全員で取り組む雰囲気があった。

演劇祭では自分のクラスは残念ながら負けてしまったが、打ち上げは最高に楽しかった。
クラスの団結が一気に深まった気がして、負けた悔しさ以上に、やりきった充実感があった。

また、クラス対抗のスポーツ大会では、もちろん自分はバスケに出場。
女子生徒が見に来ると聞いて、つい張り切ってしまったが、まさかの初戦敗退
あっけなく終わった試合に、少しだけ切なさが残った。

こうした日々の中で気づいたのは、立川高校という場所はただ学力を伸ばすだけではなく、**「仲間と力を合わせること」「自分で考えて動くこと」**を自然と教えてくれる場所だということだった。

勉強ができるだけでは、立川高校では浮いてしまう。
頭が良くて、しかも人間的に面白いヤツが本当に多かった。
一芸に秀でた人、発言がユニークな人、人望が厚い人。
そんな仲間たちに囲まれて、自分も「自分らしさ」を模索しながら過ごしていた。

そして改めて感じたのは、この3年間が、自分にとってどれほど大切な時間だったかということ。

自由に過ごすには、責任がいる。
みんながのびのびしているからこそ、自分のやるべきことを自分で考え、やり抜く力が求められる。
そうした経験の積み重ねが、今の自分の“思考の土台”を作ってくれたと確信している。

ちなみに、立川高校はこれまで小説家、政治家、大企業の社長など、数多くの人材を輩出してきた歴史ある学校でもある。
そんな中で自分がどこまでいけるかなんて、当時は考えもしなかったけれど、「あの空気の中に身を置けたこと」自体が、今となってはかけがえのない財産だ。

思えば、受験の時は奇跡だった。
それが叶い、ここで過ごした3年間は、確かに**“奇跡以上のもの”**になっていたのかもしれない。

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この記事を書いた人

石川信孝
茨城で建設会社を経営しています
工具はマイナスドライバー1本しか持っていません

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