スポーツテスト、そして小論文直前の“事件”
センター試験から約1か月。
得点率93%という奇跡のような結果で「第一関門」を突破した自分は、次なる戦い――筑波大学体育専門学群のスポーツテストと小論文に向けて、完全に“モード切り替え”をしていた。
もう机の上でペンを走らせる日々は終わった。
これからは、身体を使って勝負するフェーズ。
ある意味、自分にとってはこちらのほうが“本番”だったかもしれない。
長年続けてきたバスケ、部活で磨いた動き、そして鍛え上げた瞬発力。
そのすべてをぶつける場所が、ようやくやってきた。
いかに早く終わらせるか――当時の“勘違い”
スポーツテストの準備は、進研ゼミのOB情報を参考にしながら行った。
毎年テスト内容がほぼ固定されているという情報を元に、自分で練習メニューを組み、効率的に対策した。
でも、いま思えば当時の自分は少しズレていた。
「どれだけ正確に動けるか」「どれだけアピールできるか」よりも、**“いかに早くこの実技を終わらせるか”**という、どこか“こなす”意識が先行していた。
今ならわかる。
このテストは、ただのスポーツ技術を測るだけでなく、身体能力・判断力・そして人間性までも試されているものだったと。
バスケットボール試験
最初に臨んだのは、自分の得意種目であるバスケットボール。
内容は以下の通りだった:
- カラーコーンの間をドリブルし、制限時間内に何周回れるか
- 反復横跳び
- リバウンドからドリブルでコートを端から端まで進み、その後は自由に“得意なプレイ”を試験官にアピールする
この最後の“アピールタイム”が、ポイントだった。
自分は迷わずスリーポイントシュートを選択。
得意なプレイだったし、「目に見えて点を稼げる」アピールにもなると考えていた。
緊張しながらも、フォームを崩さずシュート。
結果、3本中3本、すべて成功。
手応えは悪くなかった。
でも、そこに“やりきった”という満足感はなかった。
受験生が流れ作業のように次々とプレイを終えていく中、自分も同じようにテストをこなし、淡々と退出した。
「終わった」というより、「流された」感じだった。
バドミントン試験
次に行われたのはバドミントン。
こちらはとてもシンプルで、受験生同士の対戦形式。
幸運だったのは、立川高校にいたバドミントン部の関東ベスト8の実力者が友人だったこと。
試験前、彼に何度も打ち合いの相手をしてもらっていたおかげで、ラリーの中での動き方や、相手の“クセ”の読み方に慣れていた。
当日の対戦相手は、明らかに“そこまでの練習量を積んでいない”様子だった。
試合は、自分のペースで進み、圧勝という結果に終わった。
陸上試験:100m走
3種目目は、100m走(陸上)。
正直、足の速さにはあまり自信がなかった。
でも、ここまできたらやるしかない。
スタートの合図とともに飛び出し、ひたすら前だけを見て走る。
結果は、13秒台。
記録としては平凡だったが、自分の中では「やれるだけやった」と言える内容だった。
3種目を終えたことで、少しだけ安堵の表情が出てしまったかもしれない。
そして、最後の関門──小論文試験へ
身体を動かす試験がすべて終わり、残るは小論文試験。
テーマは毎年大きな変化がないことをふまえ、いくつかのパターンを絞り込み、ひたすら“書いて覚える”という形で対策していた。
体育や保健に関するテーマに対して、自分なりの意見や知識を、筋道立てて論理的に書く。
文章力だけでなく、構成力・読解力・論理性が試されるテストだった。
準備はしてきた。
あとは、本番で落ち着いて書くだけ――のはずだった。
だが、この小論文試験で、まさかの“事件”が起こる。

コメント